街が変えた私のライフスタイル

休日には家族と外食をしたり、買い物に出かける以外には外出することも少なく、自宅で音楽を聴いたり、ビデオを見たり、ネコと一緒にゴロゴロしたり、昼近くまでは布団の中…これが典型的な私の休日の過ごし方だった。
休日は疲れを取るためにゆっくりと家で休む、そんな考えが私を運動不足でメタボな生活習慣に陥らせていた。そんな不健康な生活パターンから抜け出すことが出来たのは、吉祥寺に引っ越したことがきっかけだった。

自転車とデジカメ

引っ越しの話がもちあがった時、千代田区・飯田橋にある仕事場から自宅までが遠くなるのと、その頃の活動のホーム・タウンだった新宿が遠くなる気がしたこともあり、住み慣れた中野新橋から吉祥寺への引っ越しには消極的な私だった。「一番住みたい町」ランキングの上位常連の町だということも当時の私はまったく知らなかった。家族の強い要望もあり吉祥寺に引っ越してから、私のライフスタイルが激変するのにあまり時間はかからなかった。DSCN0107.jpg
 近郊には自然がたくさん残り、空気も都心に比べると爽やかな環境で住み始めると、「休日に家の中でじっとしているのはもったいない!」そんな気持ちになるのはごく自然なことだった。19歳で実家の高知から上京するとき愛用していた自転車を最初の下宿先に送ってもらっていた。しかし中野区の住宅街のど真ん中だったこともあり自転車に乗る機会もあまりなかった。いつしか、その愛車も軒下で雨ざらしのままさび付かせ廃車にしてしまった。子供の頃から自転車であちこち行くのが好きだったこともあり、サイクリング用の自転車を吉祥寺に引っ越すとすぐに購入した。週末には運動不足と気分転換のため吉祥寺や近郊の町、公園を訪れるようになっていた。

DSCN0543.JPG

街の中の外国

吉祥寺で趣味の写真を撮り始めたころは何となく気になるものを撮っていただけだった。ある日、井の頭公園近くのイタリア・レストラン「LA BEFANA」の店先で色鮮やかなディスプレイに出会ってからは「こんなカットを撮り集めてみよう!」と、写真を撮る目標みたいなものが出来た。DSC00120.psd鮮やかな赤や黄色のパプリカとプチトマト、グリーンのアスパラガスと茶色のじゃがいも、それに紫のナスが英字新聞の上に盛りつけられていた。それはヨーロッパを旅行した時にレストラン街でみかけたおしゃれなディスプレイを思い出させた。それからは「吉祥寺の中の外国のような風景」が写真のテーマになった。

フラワーショップのムク犬や、洋品店のショーウインドウ、民家の庭先の花々や公園の野鳥までが、四季を通じて私を楽しませてくれる。
小さなデジカメを片手に週末この街を散策するのが、いつの間にか私の楽しみになっていた

Welcome.png

チューリップ.png